生活習慣全般
- 肥満と前立腺がんは関係があるのですか?
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厳密には研究結果の解析が待たれているところではありますが、発表される論文の多くが「メタボリック症候群が強力な前立腺がんのリスクファクターになっている」というものです。
BMIが30以上では前立腺がんによる死亡が約2倍になるという報告もあります。詳しくは以下の連載インタビュー
「前立腺を守る」ということは。
第5回「肥満はテストステロン(男性ホルモン)を減少させる。」をご覧ください。
- 日本人は前立腺がんになりにくいって本当ですか?
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前立腺がんになるリスクの高さは、黒人種、白人種、黄色人種の順と言われています。
日本人は黄色人種ですから、元来前立腺がんの発症率は高くないはずです。
ところが、2020年には1995年の6倍になると予測される勢いで、日本人男性の前立腺がん罹患者が増えているのが現実です。
ライフスタイルと前立腺がんの発症には密接な関係があるということが示唆されています。
実際、アメリカに移住した日本人には前立腺がんの発症リスクの増加が見られます。
豆類などのポリフェノールを含む食生活が、黄色人種の前立腺がん発症率の低さに関与しているのではないかとも言われています。詳しくは以下の連載インタビュー
「前立腺を守る」ということは。
第3回「日本人は本来、前立腺がんに罹患しづらい人種です。」
第5回「肥満はテストステロン(男性ホルモン)を減少させる。」をご覧ください。
- 運動すれば前立腺がんを予防できますか?
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運動不足と食生活が前立腺がん発症に関連しているといった疫学的研究は多数あります。
30METs以上の運動は、前立腺がんのリスクを約4割減少させるという報告もあります。詳しくは以下の連載インタビュー
「前立腺を守る」ということは。
第4回「射精の回数が多いほど、前立腺がんのリスクが低下?」をご覧ください。
- 前立腺がんにならないためには禁煙した方がいい?
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前立腺がんの発症率と喫煙の関係は見られていないのですが、前立腺がんによる死亡リスクに関係しているという疫学的なデータが出ています。
10年以上禁煙するか、10年以下でも1年に20パック以下の喫煙であれば、前立腺がんのリスクが低下するという報告がなされています。
一方、アメリカでのHealth Professional Follow-Up Studyでは、1986年〜2006年まで5366名をフォローし、喫煙を続けた場合の前立腺がんによる死亡リスクは、非喫煙者の1.6倍という結果を報告しました。詳しくは以下の連載インタビュー
「前立腺を守る」ということは。
第4回「射精の回数が多いほど、前立腺がんのリスクが低下?」をご覧ください。
- 前立腺がんが近年増えていると聞きました。なぜですか?
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日本において前立腺がんはもともとあまり多くみられるがんではありませんでしたが、それが近年、もっとも増加しているがんのひとつになってしまいました。
原因はいくつか考えられますが、PSA検査の普及によってがんが見つかりやすくなったことも一因です。これは他のがんにも言えることですが、検診が普及すればするほど、早期の段階でがんが発見されるようになります。
2020年には2015年の約6倍になると予測されている前立腺がん患者の数も、「根治の可能性の高い早期がん」「積極的な治療が求められない低悪性度のがん」も含めての「増加」です。詳しくは以下の連載インタビュー
「前立腺を守る」ということは。
第1回「PSAは本来、精液中に存在するタンパク質。」
第3回「日本人は本来、前立腺がんに罹患しづらい人種です。」
第5回「肥満はテストステロン(男性ホルモン)を減少させる。」をご覧ください。