前立腺がん
- 前立腺がんが進行するとどうなるのですか?
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前立腺肥大症と同じような排尿困難を起こします。
尿道が圧迫される症状は前立腺肥大症とそっくりですが、両者はまったく別の病気です。
前立腺がんはそのまま進行すると、骨やリンパ節などへ転移し、骨転移による腰痛やリンパ節転移による下半身の浮腫がおきることがあります。
また、周辺臓器である精嚢に前立腺がんが浸潤すると精液に血が混じったりします。詳しくは「前立腺の3大疾患」より、前立腺がんのQ&Aをご覧ください。
- 前立腺がんの原因は何ですか?
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医学的な原因は、はっきり解明されていません。
しかし統計によって“前立腺がんになりやすい人”として明らかになっている事実があります。
最大の要因は加齢によるリスクの増大です。
2つ目は遺伝です。
3つ目は、俗にいう欧米化した食生活です。
高カロリー、高たんぱくの食事やバランスの悪い食事は前立腺がんのみならず、すべてのがんや病気の原因になります。
4つ目は男性ホルモンの影響説、
5つ目が人種です。アフリカ系アメリカ人、欧米人の罹患率が高く、アジア人の罹患率はまだまだ少なめです。詳しくは「前立腺の3大疾患」より、前立腺がんのQ&Aをご覧ください。
- 前立腺がんの症状は?
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初期はほとんど症状がありません。そのため自覚症状での早期発見が難しいがんです。
ただし、前立腺がんを発症している場合は、ほとんどの場合前立腺肥大症を患っており、進行すると肥大症と同じような症状が出ます。
次第に排尿困難、夜間の頻尿、尿意切迫感、血尿など排尿に障害がみられるようになります。
時に、精液に血液が混じる血精反応がみられます。詳しくは「前立腺の3大疾患」より、前立腺がんのQ&Aをご覧ください。
- 前立腺がんとはどんな病気ですか?
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前立腺の腺細胞ががん化したものです。加齢によるホルモンバランスの変化が影響していると考えられています。近年増加しているがんですが、ゆっくり進行するため、早期に発見できれば根治しやすいがんでもあります。
詳しくは「前立腺の3大疾患」より、前立腺がんのQ&Aをご覧ください。
- 前立腺肥大症ががんに進展することはありますか?
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まずありません。理由は、発症する部位が異なるからです。
前立腺がんは前立腺の外腺(外側の組織)に、前立腺肥大症は内腺(内側の組織)に発症し、前立腺肥大症から前立腺がんに進展するということは、まずありません。
ただし、2つの病気が同時に起こる場合はあり得ます。前立腺肥大症があるから前立腺がんにはならないと考えるのは間違いです。詳しくは「前立腺の3大疾患」をご覧ください。
- グリソンスコアとは何ですか?
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前立腺針生検で採取した組織を顕微鏡で検査し、がんの悪性度を判断するのに用いられる評価指標のことです。
スコアは最も低い2から最も高い10までの9段階に分類されます。詳しくは以下の連載インタビュー
「前立腺を守る」ということは。
第2回「PSA検査で前立腺がんが見つかる確率はどれくらい?」
第6回「ライフスタイルの改善が悪性化のブレーキになる可能性!」をご覧ください。
- イソフラボンの種類の違いを教えてください
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イソフラボンは「グリコシド型」と「アグリコン型」の2種類があり、 「グリコシド型」は低吸収型、「アグリコン型」は高吸収型という特徴があります。
最近のサプリメントはほとんどがアグリコン型ですが、食品中のイソフラボンは豆腐も納豆も豆乳も基本的にグリコシド型です。
グリコシド型はイソフラボンのまわりに糖がくっついていて、腸内細菌で糖が分解されて体内に吸収されます。
一般的に吸収率は摂取量の約2割。吸収までにかかる時間は6~8時間と言われています。
一方、アグリコン型のイソフラボンは、糖がすでにはずされた状態にあります。腸内細菌で糖が分解されるのを待つ必要がないので、すみやかに吸収されます。
吸収率はグリコシド型の3倍以上、2時間ほどで吸収のピークを迎えます。詳しくは以下の連載インタビュー
「前立腺を守る」ということは。
第9回「サプリメントは薬ではなく栄養補助食品」をご覧ください。
- 魚を食べると前立腺にいいのですか?
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4つのコホート研究の解析では、魚の摂取が前立腺がんのリスクを63%下げることに関連すると報告されています。
6,272人を対象とした30年間という長いコホート研究の結果でも、魚をまったく摂らない人と多量に摂取する人では、前立腺がんの発症に2〜3倍の違いがあることがわかりました。
ところがその後、魚に含まれる不飽和脂肪酸のうち、オメガ3脂肪酸の過剰摂取が前立腺がんのリスク上昇に関連するという報告がなされ、前立腺がんに対する魚の予防効果に関してはさらなる今後の研究が待たれている段階です。
普段の食生活で青魚を食べるレベルであれば、心配することはないでしょう。詳しくは以下の連載インタビュー
「前立腺を守る」ということは。
第9回「野菜や魚は積極的に摂るべき??」をご覧ください。
- 前立腺がんの予防にブロッコリーやカリフラワーがいいというのは本当?
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コホート研究では、ブロッコリーやカリフラワーを頻繁に食べる男性は、食べない男性に比べて、悪性度の高い前立腺がんの発症リスクが低いことが示されています。
アブラナ科の野菜に含まれているアソチオシアネートとインドールという物質が発がん物質を解毒し、がん細胞の増殖を抑制する可能性が示唆されています。詳しくは以下の連載インタビュー
「前立腺を守る」ということは。
第9回「野菜や魚は積極的に摂るべき??」をご覧ください。
- トマトは前立腺にいいのですか?
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リコピンにはβ-カロテンのおよそ2倍、ビタミンEの100倍ほどの抗酸化作用があると言われています。そのリコピンを豊富に含んでいるのがトマトです。実際、11のケースコントロール研究と10のコホート研究のメタ解析で、トマトの摂取は前立腺がんの発がんのリスクの低下に関連するという報告がなされています。
新鮮なトマトが11%の減少、加熱したトマト食品は19%減少です。
加熱したトマトでもOKなので、トマトジュース、トマトソース、ケチャップetc.摂取の幅が広がります。
他の食品ではスイカ、ルビーグレープフルーツ、柿、さくらんぼ、赤パプリカ、プラム、金時人参などにもリコピンが多く含まれています。
トマトは大玉トマトよりミニトマト、よく熟れたトマトのほうが含有量が多いようです。詳しくは以下の連載インタビュー
「前立腺を守る」ということは。
第9回「野菜や魚は積極的に摂るべき??」をご覧ください。