食事編
前立腺がんと食生活との関連は密接。
バランスのよい食生活を心掛けることが基本です。
特に、脂肪の過剰摂取に気をつけ、
野菜や果物を豊富に食べることが大切です。
前立腺がんと食生活の関係
近年、日本人男性の間で前立腺がんが急増した原因は欧米化された高カロリー、高脂肪の食生活が少なからず関係していると考えられています。そのため、食生活においては、前立腺がんの細胞が増殖するための栄養源になる脂肪の過剰な摂取を避けることが大切です。また、前立腺がんと診断された男性ではブロッコリーやカリフラワーなどアブラナ科の野菜を多く食べる男性はほとんど食べない男性に比べてがんの進行のリスクが低いとの報告もあり、野菜や果物をバランスよく食べることも大切です。
- チェック!前立腺がん発生に伴う危険因子をおさらい!
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1. 加齢
前立腺がんは高齢者の罹患率が圧倒的に高い病気。しかし、年をとることは避けられません。
2. 遺伝
父親や兄弟に前立腺がんに罹った人が1人いたら、そうでない家系の人に比べて2〜3倍、2人以上いる場合は5〜10倍と危険度が跳ね上がると考えられています。
3. 人種による違い
前立腺がんになりやすいのは、黒人、白人、黄色人種の順であるといわれています。
4. 高カロリー、高脂肪な食生活
国立がん研究センターでは、脂肪摂取量が前立腺がんに大きな関係があることを指摘しています。高カロリー、高脂肪の食生活によって寿命が延びた反面、皮肉にも前立腺がんも増えたというわけです。
加齢は誰にも避けられません。遺伝や人種にも対処できません。前立腺がんの予防、あるいはがん細胞の進行を抑えるために自分でできることは、危険要因からみて食生活の改善であることは一目瞭然です。
前立腺がんと食の関係についての研究報告
前立腺がんを予防できる「確実」な食品は存在せず、特定の食品が前立腺がんの原因になったり、予防に有効であったりとすることが明らかになっているものはありません。ただし、リスク要因として、乳製品や肉、脂肪、予防要因として大豆、トマト(リコピン)、魚、コーヒー、野菜などが候補にあげられています。
- もっと詳しく!国立がん研究センターの報告
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乳製品、飽和脂肪酸、カルシウム摂取量と前立腺がんとの関連について
乳製品をよく摂取するグループで前立腺がんになりやすい乳製品に含まれる、カルシウムと飽和脂肪酸が、前立腺がんリスクをやや上げるという結果に。
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/317.html大豆製品、イソフラボン摂取量と前立腺がんとの関連について
大豆製品・イソフラボンをよく摂取するグループで限局性前立腺がんリスク低下限局性前立腺がんのリスクは、大豆イソフラボンの摂取量が多いほどが低下するという結果がみられました(進行性前立腺がんのほうには関連はみられず)。豆腐、味噌、醤油、納豆…、日本人に前立腺がんが急増しているとはいうものの、欧米に比べて発症率が低いのは大豆に含まれるイソフラボンが自然に予防に貢献しているからと考えられます。
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/298.html緑茶摂取量と前立腺がんとの関連について
緑茶をよく飲むグループで進行性前立腺がんリスク低下緑茶に含まれるカテキンががん細胞の自然死を誘導し、前立腺がんのリスクを下げることが考えられます。
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/310.html
近年、世界的に注目されている健康食「地中海式ダイエット」
地中海式ダイエットとは、地中海沿岸地方の伝統的な食事法のことで、近年、健康食として世界的に注目されています。前立腺がんと診断された男性を対象とした最新の研究でも、地中海ダイエットに忠実な男性ほど死亡率が低かったとの報告がなされています。
毎日、野菜や果物、精製していない全粒穀物、乳製品、オリーブ油、特に、野菜や果物はできるだけたくさん食べます。また、週に数回、卵、魚介類および鶏肉などの家禽類、豆類、ナッツ類や種子類、イモ類を食べ、最近の研究によれば、魚はたくさん食べたほうが良いとされています。
※地中海式ダイエットでみる各食品の摂取頻度
・比較的たくさん摂る:果物、野菜、豆
・中くらいに摂る:魚
・中から少なめに摂る:乳製品
・少なめに摂る:肉類(牛肉)
(さば、いわし、さんまなど)