PSA検査とは?
わずか1mlの血液検査で前立腺がんの可能性を調べるスクリーニング検査のひとつです。血中に含まれる糖たんぱくの量を測定して調べます。
PSA検査はあらゆる腫瘍マーカーの中で最も有用とされ、血液検査で調べられるがんは白血病と前立腺がんだけです。直腸診では到底わからない早期の小さながんさえ感じ取る鋭敏さをもっているのも、PSA検査の特徴です。
しかし、鋭敏ゆえの難点もあります。PSA検査にもメリットとデメリットの両方があることを十分に知っておく必要があります。
PSA検査で得られる主なメリット
- ある年齢(たとえば50歳時)の自分のPSA値を把握しておけば、それ以降に検査したとき、比較すべきデータとして非常に有効になる。
- 早期発見につながるため、前立腺がんで命を落とすリスクが減少する。
- 治療後の経過観察中、がん再発・再燃の可能性を探るのにも有力な検査法となる。
PSA検査で考えられる主なデメリット
- 高感度PSA検査の場合、小数点以下3ケタまで計測可能なので、鋭敏すぎることから、検査機関や体調によって微妙な差が出る可能性がある。
- 過剰診断に対する危惧(高齢者や悪性度の低いがん、小さい限局がんの場合) 。
- 正しく理解!過剰診断とは
- 「がんを見つける能力が非常に高く、どんなに小さながんも見つけるが、それを治療することは無意味なのではないか」というものを指すことばです。実際、80歳代の約4割が前立腺がんを持っているとされ、その半数は前立腺がんで亡くなることはないといわれています。それくらい前立腺がんの一部は、発見、治療が不要なおとなしいがんであることも事実です。
なるほど、鋭敏すぎる検査ゆえの問題点もあるんだな。
メリット、デメリットに対する捉え方は人それぞれですが、検査の特徴を知ることは重要です。今のところPSA検査以上に正確な前立腺がんの腫瘍マーカーは存在しません。
基準値を超えた検査結果を見て、がんと診断されたような気分に。何ごとも、偏りを捨てて見ることが大事ですね。