Part2 PSA値が高くなるメカニズム

あなたは大丈夫?おしっこの悩みを抱えている方へ 排尿障害や頻尿、残尿感などおしっこのトラブルは、加齢と共に多くの人に訪れること。恥ずかしいことではありません。

前立腺の肥大と排尿障害

前立腺の肥大は、年をとれば誰にでも起こることです。肥大そのものは、病気ではありません。しかし、肥大が進むと尿道が圧迫されるため、若い頃に比べて尿が出にくくなり、排尿困難が起きてきます。ひとつの加齢現象ではあるのですが、排尿困難や過活動膀胱のなかに病気が隠れていることもあります。

なぜ、歳を取ると前立腺は肥大するのか

前立腺の肥大はある時期に急激に進み、数ヶ月から数年で肥大ができあがってしまいます。栗の実程度だったものがクルミ大、鶏卵大、ミカン大となり、なかにはリンゴ大にまで肥大する人も。正常な重さの十倍にもなって、100gを超えることもあります。(非常に少数ですが、加齢ととともに縮小する人もいます)
肥大の原因は、加齢と性ホルモンが影響を及ぼしているのではないかと考えられていますが、はっきりとした原因は究明段階です。
日本の食文化が欧米食になるにつれ、肥大する傾向が強くなっているという見解もあります。いずれにしても、前立腺肥大症の患者さんは増える一方です。加齢に伴って発生するという事実に間違いはありません。

説明しきれない性ホルモン説

40歳ごろからテストステロン(主要な男性ホルモン)の分泌が減少します。一方で、副腎でつくられるエストロゲン(主要な女性ホルモン)の分泌は変わりません。そのために2つのホルモンの割合が逆転し、それが肥大のひとつのきっかけになるのではないかというのが、ホルモン説です。実験では、テストステロンだけではなく、エストロゲンも注入しないと前立腺は肥大しないことがわかっています。

こんな「そういえば・・・」ありませんか?

夜中にトイレに行くために3回以上起きる おしっこが出終わるまでに時間がかかる(30秒以上) おなかに力を入れないとおしっこができない おしっこが出てくるまでに時間がかかる 勢いが弱い(尿が細い、一本の筋として出ずに拡散してしまう) おしっこががまんできずに、もれてしまうことがある 排尿後、出し切っていない感覚がある(残尿感) おしっこをした後、パンツの中にちょろっと漏れることがある これらの斬尿状態を把握するのに世界的に使われているのが「IPSS」といわれるスコア表です。

IPSS(国際前立腺症状スコア)で、あなたの排尿障害レベルがわかります!

IPSSは各国で別々の基準だった前立腺肥大症に伴う症状を、同じ尺度で測定するために国際的に採用しているものです。アンケート形式で、自分の排尿障害のレベルを知ることができます。

過去1ヶ月間の排尿の状態について、次の7つの質問に5段階でこたえましょう。どの点数になるかはある時点のことではなく、1ヶ月間の平均として印象で決めてください。
最後にQOL(quality of life)スコアとあわせて、結果を点数で表わします。

過去1か月の
排尿状況
0点 1点 2点 3点 4点 5点
排尿時に
いきむ必要が
ある
まったく
ない
5回に
1回未満
2回に
1回未満
2回に
1回程度
2回に
1回以上
ほとんど
常に
排尿後に、まだ
尿が残っている
感じがある
まったく
ない
5回に
1回未満
2回に
1回未満
2回に
1回程度
2回に
1回以上
ほとんど
常に
尿の勢いが
弱いと感じる
ことがある
まったく
ない
5回に
1回未満
2回に
1回未満
2回に
1回程度
2回に
1回以上
ほとんど
常に
尿をしている
途中に尿が途切
れることがある
まったく
ない
5回に
1回未満
2回に
1回未満
2回に
1回程度
2回に
1回以上
ほとんど
常に
排尿後、2時間
以内にもう一度
トイレに行かな
ければならない
ことがある
まったく
ない
5回に
1回未満
2回に
1回未満
2回に
1回程度
2回に
1回以上
ほとんど
常に
尿意を感じると、
トイレを我慢
するのが難しい
ことがある
まったく
ない
5回に
1回未満
2回に
1回未満
2回に
1回程度
2回に
1回以上
ほとんど
常に
夜寝てから
朝起きるまでに、
何回トイレに
行ったか
まったく
ない
5回に
1回未満
2回に
1回未満
2回に
1回程度
2回に
1回以上
ほとんど
常に

IPSS 結果の見方

IPSS 結果の見方

0〜7点
:軽度症状
8〜19点
:中等度症状
20点以上
:重度症状

0〜7点は軽度症状、8〜19点は中等度症状、20点以上は重度症状と考えられています。尿がまったく出ない状態が繰り返される場合は、合計の点数が低くても「重症」です。点数の高低に関わらず、気になる症状がある人は早めに泌尿器科への受診をお勧めします。
IPSSは、自分の現在の排尿症状を示すばかりではなく、治療の効果を判定するのにも役立ちます。

QOL(困窮度)スコア

続いて、QOLのチェックです。QOLスコアをつけることで、症状が生活にどのような影響を及ぼしているかが理解できます。

質問 0点 1点 2点 3点 4点 5点 6点
現在の排尿状態が
今後一生続く
としたら
どう感じますか
大変
満足
満足 ほぼ
満足
なんとも
いえない
不満
気味
不満 つらい

QOL 結果の見方

QOL 結果の見方

0〜1点
:軽度症状
2〜4点
:中等度症状
5点〜6点
:重度症状

0〜1点は軽度、2〜4点が中等度、5〜6点は重度症状です。前立腺肥大症は、直接死につながる病気ではありませんが、QOLの低下につながります。そのためにQOL病と呼ばれています。